2026/07/08

公明党に「有利子奨学金の金利上昇に伴う返済負担の軽減を求める要請」を行いました

「すべての人が学べる社会へ 高等教育費負担軽減プロジェクト」(事務局:中央労福協)は7月7日(火)、参議院議員会館内にて公明党に対し、有利子貸与型奨学金の金利上昇に伴う返済負担軽減に関する要請活動を行いました。公明党からは下野六太参議院議員(党文部科学部会長)・平木大作参議院議員(党国会対策委員長)、プロジェクトからは大内裕和氏(奨学金問題対策全国会議共同代表/武蔵大学教授)・渡辺由美子氏(認定NPO法人 キッズドア理事長)が出席しました。

要請では冒頭、要請書を手交し、公明党・下野議員より「若者の支援は社会の中でも重要な取り組みだが、必ずしも充分とは言えず、忸怩たる思いだ。平木議員が先日、予算委員会において奨学金返済に関する支援の必要性について政府に訴えたが、若者を取り巻く実態をふまえた制度としていかなければならない」と挨拶がなされました。

続いて、大内氏より要請趣旨について説明するとともに制度の問題点について触れ、渡辺氏より高等教育費にかかわる子どもたちの実態について報告し、取り巻く課題に関して意見交換を行いました。

大内氏はやりとりの中で「現在、有利子の第二種奨学金のうち利率見直し方式を選択している多くの方が金利上昇の影響を受けつつある。同じ日本学生支援機構が取り扱う仕組みとは言っても、給付型奨学金や無利子の第一種奨学金は影響がなく、多くの学生が貸与を受けている第二種奨学金のみ大きな負担増となるのは不当であるとすら言えるのではないか」「第二種奨学金のうち、利率固定方式利用者は高校生の時に申し込みをした際の金融環境と、金利が確定し返済をスタートする卒業時のそれとは状況がまったく異なる。これに加え、利率見直し方式利用者は5年ごとにさらに返済利率が上昇する危険があるし、現在返済中の社会人も同じ影響を受けている。ぜひ返済負担の軽減を実現していただきたい」と訴えました。

渡辺氏は「私たちが支援を行っている子どもたちは有利子の第二種奨学金利用者が多い。これまでは利率が低かったことから高等教育への進学を後押ししてきたが、現在の状況では返済額が数十万円単位で増えることになり、将来の生活設計の前提が崩れてしまう。給付型奨学金の枠を広げていただくとともに、有利子については利率を引き下げていただく、あるいは途中で大きく増えることがないようにしていただきたい」「児童がいる世帯の中で、もっとも厳しい状況にあるのは、給付型奨学金の制度利用対象にはならず、有利子の第二種奨学金を利用せざるを得ない中流層の家庭だ。世帯所得中央値は年収400万円台だが、児童のいる世帯の所得は年収700万円台が平均的であり、600万円台でも標準を下回ってしまっている。奨学金返済額の高さを初めて知って進学を断念せざるを得なくなる世帯や子どもが出てきてしまうため、学びたい子どもが学びを諦める状況に陥ることの無いよう、利子負担について引き下げをお願いしたい」と述べました。

平木議員からは「若者からの深刻な声をお聞きして、奨学金問題について取り組みをはじめたところだ。この状況に歯止めを掛けなければならないと考えている。政治の力で、学びたい人の希望に応える体制をつくりたい」との発言がなされるとともに、下野議員からは「大前提として、給付型奨学金の枠を広げるなど学びにお金が掛からない方法を視野に入れつつ、まずは現下の返済利率の問題について取り組んでいきたい」「有為の人材を育成することは社会的な先行投資とも言える。若者にとっても、今の状況は公平・公正とは言えないだろう。我々としても、高等教育費の負担軽減が社会にとっていかに有益な施策か、理論武装しながら政府にも訴えていきたい」との回答がなされました。

有利子貸与型奨学金の金利上昇に伴う返済負担軽減に関する要請

プロジェクトとしての要請は以下の3点です。
(1)利率の据え置きや返済額の軽減・猶予など緊急的な負担軽減措置の速やかな実施
(2)税による利子補給制度の導入
(3)長期的には無利子・給付型奨学金を中心とした制度への移行