2025参議院選挙・高等教育費負担軽減に関する政党アンケート

アンケートについて

 7月20日投開票で行われる参議院議員選挙に際して、私たち「すべての人が学べる社会へ 高等教育費負担軽減プロジェクト」は、与野党8政党(自由民主党、立憲民主党、日本維新の会、公明党、日本共産党、国民民主党、れいわ新選組、社会民主党)に対し、高等教育費の負担軽減や教育機会均等に関する考え方、政策、取り組みについて問う政党アンケートを実施、6党から回答を得ましたので公表します。

 高等教育費の問題は国民の関心も高く、参議院選挙にあたっても大きな課題です。本アンケートについては、参議院選挙を機に、各党における高等教育費の負担軽減や教育の機会均等に関する考え方、政策、姿勢、取り組みを国民に明らかにし、選挙における投票行動の判断材料として、主権者に提供するために行わせていただくものです。投票に行かれる際に、本アンケート結果がひとつの判断材料となれば幸いです。

 最後に、ご多忙のなか本アンケートにご回答頂きました各政党の皆さまへ厚く御礼申し上げます。

高等教育費負担軽減に関する政党の意見

基本的考え方について

(1)高等教育費の負担軽減についての基本的なお考えをお聞かせください

政党名
回答
自由民主党
高等教育費の負担軽減に賛成
立憲民主党
高等教育費の負担軽減に賛成
日本維新の会
高等教育費の負担軽減に賛成
公明党
高等教育費の負担軽減に賛成
日本共産党
高等教育費の負担軽減に賛成
国民民主党
高等教育費の負担軽減に賛成
れいわ新選組
高等教育費の負担軽減に賛成
社会民主党
高等教育費の負担軽減に賛成

授業料等について

(2)国公立大学・私立大学の授業料について
政党名
回答
自由民主党
適正である
理由:
授業料は、各設置者において 社会経済情勢等を総合的に勘案して検討されるべきであると考えます。同時に、家庭の経済状況で進学を諦めることがないよう、授業料等減免と返還不要の給付型奨学金の支援を行う修学支援新制度による支援も拡大してまいります。
立憲民主党
高いので引き下げるべき
理由:
教育は国が一義的な責任を持つという観点から、国際人権規約A規約第13条の漸進的無償化を実現するために大学の授業料を引き下げます。
国公立大学の授業料を無償化し、私立大学生や専門学校生に対しても国公立大学と同額程度の負担軽減を実施します。奨学金制度の拡充で学生の生活費等についても支援します。
日本維新の会
高いので引き下げるべき
理由:
わが党は全教育の無償化を政策に掲げている。
家庭の経済状況にかかわらず、等しく質の高い教育を受けることができるよう、義務教育の他、幼児教育、高校、大学など、教育の全過程について完全無償化を憲法上の原則として定め、給食の無償化と大学改革を併せて進めながら国に関連法の立法と恒久的な予算措置を義務付けたい。従って、高等教育費の負担軽減には賛成するし、国公立大学・私立大学の授業料については、引き下げるべきであると考える。
公明党
その他
理由:
大学は知の拠点としての重要性は非常に大きいものであり、その国立大学の授業料は、物価や人件費等の高騰を鑑み、教育活動に係る費用の考慮、個人負担や支援の在り方、機関補助などとのバランスを考慮し、丁寧に検討される必要があると考えます。私立大学については、それぞれが建学の精神を基に教育の質と経営の中で判断されていると考えます。
日本共産党
高いので引き下げるべき
理由:
大学の授業料は、この半世紀の間に国立大学で50倍、私立大学の平均で10倍と異常に値上がりしてしまいました。そこに保護者の減収とあいまって、多くの学生はアルバイトや貸与奨学金なしには学生生活を送れないという苦しい状況におかれています。高い学費は、若者の学ぶ権利をおびやかしており、その値下げは急務です。現在広がっている東京大学など国立大での値上げ、また私立大でも毎年のように値上げが続くなど“学費値上げラッシュ”ともいうべき事態は、政治の責任でストップさせなければいけません。
〝値上げをしても奨学金などの支援を増やせばいい〟との意見もありますが、欧州の事例をみても、高等教育費の負担を軽減している国は、どこでも学費はゼロ、または低額です。すべての学生を対象に学費を引き下げることこそ最大の支援です。
国民民主党
高いので引き下げるべき
理由:
公的資金や教育国債を活用して奨学金徳政令をめざします。当面は、専修学校や高等専門学校、大学や大学院等の高等教育の授業料を減免するとともに、既貸与者の奨学金については1人最大150万円まで免除するとともに、返済額を所得控除の対象とします。
さらに、人手不足が深刻な教職員や自衛官等に就業した場合は全額免除します。
また、卒業後就職した法人が奨学金貸与者の返済を支援した際、返済支援額を法人税の控除の対象とします。
れいわ新選組
高いので引き下げるべき
理由:
国立大学の授業料値上げの動きがあり、それに呼応して私学の値上げの動きが始まっています。物価高の影響もありますが、国立大学が授業料値上げを言い出したのは、運営費交付金などの基盤的経費の削減や成果主義の発想による資金獲得競争を強いる政府にも問題があります。
授業料は私たちは無償化にし、学びたい人が学ぶ機会を保障することは、この国の再生に必要と考えていますが、少なくとも今高すぎる大学の授業料を値下げするよう国が大学に対する支援を強化するべきと考えています。
社会民主党
高いので引き下げるべき
理由:
「出生数68万人」、「国民負担率46.2%」、「実質賃金マイナス1.8%」など若者、現役世代を取り巻く社会情勢は深刻で、将来への絶望感が広まっています。今こそ、国や地方自治体などの公的支援を拡充すべきです。
社民党は、大学までの高等教育の教育費無償化を実現します。無償化実現までは、奨学金を原則給付型として一定期間の返済後は残債を免除する制度導入をめざします。
「そもそも、なぜ学生たちは働かないといけないのか。それは学費が高いからで、国公立大学の運営交付金が減らされ、私立大学の補助金が減らされているからです。
その問題の根本に国の教育予算の削減があります。
まず国公立大学の学費無償化をすべきです。「国公立大学の入学金と授業料を無償にするのは3200億円でできます。まずは国公立から無料にしていくのがよいのではないか、と考えます。私立大学の無償化に必要な資金は3兆円程だが、一挙に無償化といかないまでも、半額にするとか、学生側の負担を下げていくことが必要です。アルバイトをしなくては大学に通えない、奨学金で借金まみれで社会人になるという状況を変えなくてはいけない。社民党は、変えていきます。
(3)国立大学法人運営費交付金・私学助成金等の高等教育機関への支出について
政党名
回答
自由民主党
増額すべき
理由:
物価や人件費が高騰し、大学の運営費に係る経費や研究費が逼迫しているという危機的な状況があります。研究費の使途の柔軟化や、使い方等の見直し、研究時間の確保・研究環境の改善に向けた組織運営改革や人事給与マネジメント改革等の実施と併せて、物価・人件費の上昇等も踏まえつつ、国立大学法人運営費交付金・私学助成金・研究費の確保に取り組むべきと考えます。
立憲民主党
増額すべき
理由:
国立大学法人運営費交付金や私学助成金など高等教育を支える予算についてはを増額すべきです。
日本維新の会
増額すべき
理由:
OECD加盟国で最下位となっている教育予算の対GDP比を引き上げ、教育への公的支出を他の先進国レベルに向上させることが必要だ。従って、国立大学法人運営費交付金や私学助成金等の高等教育機関への支出については、増額するべきである。
公明党
増額すべき
理由:
物価上昇等も踏まえ、国立大学の運営費交付金や私学助成、施設整備費補助金等の基盤的経費を確保します。
競争的研究費、とりわけ研究者にとって基本的な競争的研究費である科研費(特に基盤Bや基盤Cなどの基礎的な種目)を十分に確保し、我が国の研究力回復・向上と優秀な人材の育成に取り組みます。
日本共産党
増額すべき
理由:
政府は、国立大学の運営費交付金を、2004年の独立行政法人化以降、1600億円も削減しています。私立大学への私学助成は、「経常費の2分の1を国庫補助」という1975年の国会決議に反して、経常費の1割以下に抑制されています。これに物価高騰がのしかかり、大学は財政難に追いこまれています。
国立大学の運営費交付金をただちに回復させ、増額をはかるとともに、私学助成金を学生の8割近くを擁する私立大学がはたす公共的役割にふさわしく、抜本的に増額する必要があると考えます。
国民民主党
増額すべき
理由:
基礎研究振興のための大学運営費交付金を増額し、大学・大学院に研究費や人件費を倍増することで、技術の基礎となる研究力をつけ、新たな商品開発力・品質改善力でのイノベーションを支えます。
れいわ新選組
増額すべき
理由:
財務省が、選択と集中の名のもとに、国立大学法人化の後に運営費交付金を減らし、成果主義の重点配分を行い、各国立大学が、基盤的経費が足りないあまりに運営にクラウドファンディングに乗り出さざるを得なくなった事態こそが、日本の高等教育の大きな問題点です。財務省の進める財政健全化と、限られた予算を財界のための研究に優先配分することで、研究者は自由な研究ができなくなりました。
この選択と集中の問題は、国のイノベーション政策にアカデミアを動員していくという意味では、日本学術会議法の廃止問題と共通する点があると考えています。
また、日本は、州立大学が多いアメリカとは違って私学が高等教育の大きな役割を担っており、私学助成の削減による基盤的経費の削減には地域における学びの保障という観点で大きな問題があります。「地域の生き残り」のための大学という位置付けで大学支援を文科省は考えていくべきです。1975年の私学振興助成法成立時の附帯決議では「私立大学に対する国の補助は二分の一以内となっているが、できるだけ速やかに二分の一とするよう努めること」とされています。つまり、国会が政府に対して、できるだけ速やかに私立大学の経常費補助を50%とするよう努めよ、と決議しているにもかかわらず、私学助成金は、1980年の29.5パーセントを最高に以降減少し続け、50年も経っても、なお10%程度にすぎません。
国公立にせよ、私大にせよ、大学の基盤的経費を充実させることは国の責任です。
社会民主党
増額すべき
理由:
国立大学法人運営費交付金や私学助成金をはじめとした高等教育機関への公的支出について、高等教育は公共財であり、誰もが平等に学べる機会を保障すべきです。そのために、国公私立を問わず、安定した公的支援の拡充が必要であると考えます。
運営費交付金の減額により、教職員の非正規化、研究環境の悪化、教育の質の低下が進んでいるのは大きな問題であり、交付金の大幅な増額と基盤的経費の安定的確保のため国立大学法人運営費交付金の拡充を強く求めています。
また、私学は学生の7割が通う重要な教育機関であり、私学助成金の水準を引き上げる必要があり、学費依存の運営が続けば、教育格差が拡大するとして、私学に対する安定的で十分な公的助成を求めています。
高等教育の学費負担が重すぎるとの観点から国公立大学の授業料無償化を目指すと明言。私立大学を含めて給付型奨学金制度の抜本的拡充を提案し、貸与型奨学金の有利子制度は廃止すべきとしています。
日本は、先進国で最も公教育に予算をかけない国であり、恥ずべきことです。高等教育を含む教育費の対GDP比をOECD平均水準(約5〜6%)に引き上げ、“未来への投資”として教育財政を大幅に拡充するべきと、社民党は訴えています。

大学等修学支援制度について

(4)「大学等における修学の支援に関する法律」で定められた支援について

政党名
回答
自由民主党
その他
理由:
第217国会での法改正により、多子世帯の学生等に係る大学等の授業料等の減免制度を創設する等の措置を講じました。高等教育の修学支援新制度における給付型奨学金の支給・授業料等減免や、他の経済的支援制度を着実に実施し、希望するすべての若者が経済的事情で進学を諦めることなく、自らの夢を実現できる社会にするため、高等教育の無償化を進めていきます。
立憲民主党
不十分であり法改正すべき
理由:
立憲民主党は、社会全体ですべての子どもの育ちを支援し、希望する人が安心して子どもを産み育てることができる社会をつくることをめざし、子の最善の利益を優先する「チルドレン・ファースト」を施策の中心に据えています。
今回の法改正では、目的規定に「教育費の負担の一部を社会全体で負担すること」が明記されました。社会全体で教育費を負担することを掲げたことは評価しますが、目的規定では、あくまでも、「子育てに希望を持つことができる社会の実現に寄与」するためとされていますが、「親の経済力に関わらず、将来を担う子どもの学びを社会全体で支える」という理念に基づき、大学無償化や給付型奨学金の拡充など、さらなる法改正を行うべきであると考えます。
日本維新の会
不十分であり法改正すべき
理由:
3人以上の子どもがいて、かつ全員が扶養に入っていないと対象にならない現制度は限定的で効果が薄い。大学改革とセットとして対象を拡大すべきである。
就職のための進学から学問のための進学へと大学改革を行い、国際標準並みの学習量確保と卒業要件の適正化を図るとともに、ICTの活用により地方にいながら多様な大学へ進学できる仕組み作りを支援し、学びの選択肢を広げる必要がある。従って、修学の支援に関する法律は改正して、より大学の教育の質を高める必要がある。
公明党
その他
理由:
第217回国会での法改正により、多子世帯の学生等に係る大学等の授業料等の減免制度を創設する等の措置を講じたところであり、まずは授業料等の減免と給付型奨学金による「高等教育の修学支援新制度」の拡充に取り組みます。また要望が多い「貸与型奨学金」との併給にも取り組みます。
日本共産党
不十分であり法改正すべき
理由:
現在の修学支援制度は、世帯年収をもとにした経済要件、学業要件、大学の機関要件といった厳しい要件が課せられているために学生が安心して受けられるものにはなっていません。その結果、全学生の1割しか対象にならず、予算の4割も余らせており、本来の給付奨学金とは程遠いものです。これらの要件を撤廃、緩和して、多くの学生が受けられるようにするとともに、消費税増税を前提とした財源規定の見直しが必要だと考えます。
日本政府は、2012年に国際人権規約の高等教育無償化条項について留保を撤回し、高等教育の無償化は国民と国際社会への公約です。ところが、受益者負担の立場に立つ自民党政府のもと、大学の学費は、2012年以降も高騰しています。教育を受けることは権利であり、教育の成果は個人でなく社会全体のものです。受益者負担主義を改め、日本も無償化にふみ出すべきだと考えます。
日本共産党は、ただちに授業料半額・入学金ゼロにふみだして、高等教育無償化=「学費ゼロ」の社会を実現することを提案します。
国民民主党
不十分であり法改正すべき
理由:
第217回通常国会に提出された大学等修学支援法改正案に対して、事業の実施状況の調査・公表、消費税以外の財源確保、見直し期間を3年以内とすることなどを盛り込んだ修正案を提出しましたが、残念ながら修正案は否決されました。
原案は不十分な内容ではありますが、一定の前進が期待できるものと考え、採決において賛成しました。
修正案の内容は附帯決議に盛り込まれており、施行後4年の見直し時期以前でも必要な対応を求めていきます。
れいわ新選組
不十分であり法改正すべき
理由:
日本では高等教育の家庭負担割合が高く、多子世帯のみならず世帯年収380万では、子ども一人大学進学させるのにもかなり負担が大きくなっています。その結果、学生が奨学金という借金を背負い、またアルバイトを掛け持ちしなければならないという状況に追い込まれています。少子化の日本において多子世帯のみを支援の拡充の対象にすることの正当性は、国会における質疑においても文科大臣は十分な納得のいく説明ができませんでした。
多子世帯に対する優遇策は多くの先進国に存在しますが、多子世帯だけではなく第1子から十分に制度の恩恵を受けられるようにすべきです。そうすれば現在の制度に見られるような3人の子のうち、長子が大学を卒業後したとたん、残りの2人が支援の対象外になったり、支援の割合が下がるというようなことは起こりません。本来、学費無償にすべきですが、段階的に修学支援制度を拡大するのであれば、子どもの数にかかわらず世帯年収1千万未満くらいの家庭を対象とすべきと考えます。
文科省は支援の拡充を多子世帯に絞っている理由として、何度も国会質疑で「財源」の問題を挙げていますが、未来への投資にすら財政出動をケチるような緊縮財政の発想だから、この国の教育は低迷してきたと言わざるを得ません。
社会民主党
不十分であり法改正すべき
理由:
「大学・短大・専門学校への進学はすべての人に保障されるべき権利」であり、現在の修学支援制度(住民税非課税世帯・準ずる世帯が対象)は対象も金額も狭すぎます。真の無償化に向けて制度を強化すべき。中間所得層を含めた幅広い学生・生徒が対象となる制度への拡充を主張しています。
授業料減免や給付型奨学金の支給額が学費実態に見合っていないとし、支援額の増額や大学までの高等教育の教育費無償化を求め、これを実現します。
現行制度では、依然として多くの学生が有利子の貸与型奨学金(事実上の借金)に依存しており問題です。無償化実現までは、奨学金を原則給付型として、一定期間の返済後は残債を免除する制度導入をめざします。
修学支援制度には「進学先が認可校であること」「一定の学業成績を維持すること」などの要件があり、経済的困窮者が排除される懸念があります。成績・進学先による制限の緩和をはかるべきです。

奨学金について

(5)貸与型奨学金を無利子化することについて

政党名
回答
自由民主党
賛成
理由:
無利子奨学金の拡大に加え、返還の猶予・免除、所得連動返還方式、企業による代理返還、また給付型奨学金の拡大など、経済的困難により進学を断念することがないよう、財源を確保しつつ、奨学金制度の拡充を進めてまいります。
立憲民主党
賛成
理由:
立憲民主党は、貸与型奨学金について、返済中の有利子奨学金の利子分を免除すべきであることを政策として掲げています。
日本維新の会
賛成
理由:
教育費の負担は重く人々にのしかかっており、奨学金が無利子化されれば負担が軽減されるから。
公明党
賛成できない
理由:
無利子奨学金については、過去に、有利子奨学金を借りざるを得なかった残存適格者を解消し、以降、基準を満たす希望者全員への無利子奨学金の貸与を実現いたしました。
今後も、引き続き教育費の負担軽減の取組を進め、日本学生支援機構の貸与型奨学金(無利子・有利子)を借りられる対象者を拡大します。
日本共産党
賛成
理由:
奨学金というなら利子はとらない、これが国の教育行政の最低限の責任です。文部科学省も“奨学金は無利子が根幹”としてきました。借金返済の負担軽減の第一歩は、本来の姿に戻して負担を減らすことです。返還中を含め、すべての貸与奨学金を無利子にすべきと考えます。また、保証料・保証人制度、延滞金は廃止します。
国民民主党
賛成
理由:
貸与型奨学金の所得制限を撤廃し、奨学金の原則無利子化と返済不要の給付型奨学金を中所得世帯に拡大します。卒業生の奨学金債務も減免します。
れいわ新選組
賛成
理由:
事実上の教育ローンである「貸与型奨学金」は、財政支援で給付型にすべてを移行させるべきですが、直ちにそれが困難であるばあいには「無利子化」することで負担を軽減させることに賛成です。
社会民主党
賛成
理由:
現行の貸与型奨学金は有利子が一般的になっており問題です。これを無利子化することは、しないよりはそれに越したことはありませんが、社民党は、奨学金制度は原則給付型にするべきと訴えています。これが実現するまでは、奨学金の一定期間の返済後は残債を免除する制度導入をめざします。

(6)貸与型奨学金の返済制度について

政党名
回答
自由民主党
現行の制度のままでよい
理由:
(5)でお答えした通り、返還の猶予・免除、所得連動返還方式、企業による代理返還、また給付型奨学金の拡大など、奨学金を受ける学生の方々の状況に応じ、様々な支援制度を設けております。制度の周知やきめ細かな相談体制を整え、より効果的に支援が届くよう努めてまいります。
立憲民主党
返済者全体の負担軽減を行うべき
理由:
立憲民主党は、貸与型奨学金の返済に関して、
①貸与型奨学金の返還額を所得控除の対象にするとともに、返還免除制度を拡充します。
②返済中の有利子奨学金の利子分を免除します。
③所得に応じて返済できる所得連動返還型無利子奨学金や、返還猶予制度などをより柔軟に運用することにより、奨学金を借りている人が無理なく返済できるようにします。
④中小企業が従業員に実施している奨学金の返還支援を国が補助し、就職氷河期や若手をはじめとする奨学金返済の負担を軽減します。
について、政策で掲げています。
日本維新の会
返済者全体の負担軽減を行うべき
理由:
返済者全体の負担軽減を行い、全教育の無償化につながるようにすべきであるから。
公明党
返済者全体の負担軽減を行うべき
理由:
若者世代を中心に奨学金の返済が生活の重荷になっていることから、さまざまな負担軽減策を実行します。まず、月々の返済額を自分で決められる「減額返還制度」の年収制限の緩和や、企業や自治体が行う「代理返還制度」の導入メリットの拡大など、より多くの方が利用できるよう制度を拡充します。
加えて、奨学金返済額の一定割合を所得控除できる仕組みなど、税制における支援を検討します。
日本共産党
返済者全体の負担軽減を行うべき
理由:
高学費のもとで若い世代が背負っている貸与奨学金の返還総額は、10兆円近くにもなり、その重い負担の軽減は急務の課題となっています。
日本共産党は、奨学金の返済はまず半額免除し、そのうえで残った貸与奨学金は所得に応じた返済制度に切り替えることを提案します。一人ひとりの減額は半分を基本に、年収や残高を勘案して不公平感が起きないようにするために、現行の減免制度、返済猶予、減額期間の所得制限の緩和、期間上限の撤廃をあわせて行い、返済負担を大幅に軽減します。保証料・保証人制度、延滞金は廃止します。また、返済負担を軽減しながら、20年間返済すれば残額をすべて免除します。
国民民主党
返済者全体の負担軽減を行うべき
理由:
公的資金や教育国債を活用して奨学金徳政令をめざします。
貸与型奨学金の所得制限を撤廃し、奨学金の原則無利子化と返済不要の給付型奨学金を中所得世帯に拡大します。卒業生の奨学金債務も減免します。
既貸与者の奨学金については1人最大150万円まで免除するとともに、返済額を所得控除の対象とします。
さらに、人手不足が深刻な教職員や自衛官等に就業した場合は全額免除します。
また、卒業後就職した法人が奨学金貸与者の返済を支援した際、返済支援額を法人税の控除の対象とします。
れいわ新選組
返済者全体の負担軽減を行うべき
理由:
「返済困難者のみ」の負担軽減という線引きを行うのではなく、全ての利用者の債務を減免する事で、若者が大学を卒業後、自由に使えるお金を増やすことは、少子化の原因が経済的困難にあることを踏まえると有効だと考えます。
社会民主党
返済者全体の負担軽減を行うべき
理由:
奨学金制度は、現行の貸与(事実上の学生ローン、学生向けの高利貸し)を止めて、国が財政的にも資金的にも責任をもって支援する原則給付型にするべきです。膨張する防衛費(軍事費)を削減して、国の未来・将来を担う若者たちへの積極的な投資をはかるべきであると考えこれからも訴えていきます。

(7)給付型奨学金について

政党名
回答
自由民主党
受給資格の範囲を拡大すべき
理由:
支援を必要とする方により効果的に支援が届くよう、財源を確保しつつ、不断の見直しを進めてまいります。
立憲民主党
受給資格の範囲を拡大すべき
理由:
大学を無償化しても、家賃や生活費を稼ぐためにアルバイト漬けになってしまう現実があります。本来の学業により専念できるようにするために、給付型奨学金をより拡充すべきであると考えます。
日本維新の会
受給資格の範囲を拡大すべき
理由:
本来、全教育を無償化すべきであり、給付型奨学金の受給資格を拡大すれば、その分だけ、無償化につながるから。
公明党
受給資格の範囲を拡大すべき
理由:
大学生等の授業料無償化や給付型奨学金の対象拡大に取り組みます。
また自治体や民間による給付型奨学金が増えるよう支援策に取り組みます。
日本共産党
受給資格の範囲を拡大すべき
理由:
給付奨学金は、学生生活を支える大事なものであり、本来、教育を受ける権利を保障するために多くの学生が受けられる制度が必要だと思います。
日本共産党は、授業料の半減とともに、奨学金を給付制中心にあらためて、現在の貸与奨学金利用者の半数以上にあたる75万人規模で、「自宅4万円、自宅外8万円(月額)」を支給する本格的な給付奨学金制度を創設し、対象・支給額を拡充していくことを提案します。
国民民主党
受給資格の範囲を拡大すべき
理由:
貸与型奨学金の所得制限を撤廃し、奨学金の原則無利子化と返済不要の給付型奨学金を中所得世帯に拡大します。卒業生の奨学金債務も減免します。
れいわ新選組
受給資格の範囲を拡大すべき
理由:
この制度では世帯の収入によって受けられる奨学金の金額は異なっていますが、その基準となる世帯収入額の上限は多子世帯以外で引き続き380万円と必ずしも多いとは言えません。
社会民主党
受給資格の範囲を拡大すべき
理由:
現行の貸与型の奨学金制度を廃止し、原則給付型の奨学金制度にすべきと考えます。また、対象を狭めるべきではなく、望めば誰でもが利用できるものにする必要があります。「誰ひとりとりこぼさない教育」こそが、究極のSDGsである考えます。

(8)給付型奨学金の学業要件のGPA評価による支援打切りについて

政党名
回答
自由民主党
現在の制度のままでよい
理由:
高等教育の修学支援新制度においては、学修意欲と学習成果の質について一定の要件を満たすことを求めており、修得単位数、授業への出席率のほか、各科目の評定平均値であるGPAを用いています。GPAは、評定という相対評価によるものですが、これは、客観的な成績評価を行う方法として広く導入されており、学生等に対する履修指導や学修支援と一体的に運用されているものです。
令和7年度に多子世帯支援を拡充したばかりでもあり、まずはその効果も見定めながら、この観点も含めて必要な改善も行っていきたいと考えています。
立憲民主党
現在の制度を変えるべき
理由:
学業を続けることができるよう、より柔軟な制度とすべきであると考えます。
日本維新の会
現在の制度を変えるべき
理由:
全ての人は教育を無償化されるべきである。ただし学力は維持すべきであり、入試改革により学習意欲のある多様な才能の学生を発掘できるような多面的・総合的な入学者選抜を推進すると共に、厳格な卒業認定により出口における質保証を促進し、「入学しやすく卒業は難しい」高等教育を目指すべきと考えている。
公明党
現在の制度のままでよい
理由:
成績評価だけでなく、学ぶ意欲も評価されており、また、病気などのやむを得ない諸事情による救済措置も設けています。
日本共産党
現在の制度を変えるべき
理由:
学業要件によって支援を打ち切られた学生は、23年度末は1万9408人(支援対象の7.6%)にのぼります。その多くが、GPA評価によるものです。
学業要件は、「一人親が働けなくなり、アルバイトを増やしたところ成績が下がり、支援が打ち切られた」など、様々な事情や困難を抱えて支援を必要とする学生への支援が、逆に打ち切られるという、あってはならない事態を引き起こしています。また、「成績を下げないために、必要最低限の授業のみをとることになり、逆に学習意欲がそがれている」といった弊害もうまれており、学生や大学からも学業要件の撤廃を求める強い声があがっています。
学生が安心して支援を受け続けられるように、学業要件はただちに撤廃すべきです。
国民民主党
現在の制度を変えるべき
理由:
貸与型奨学金の所得制限を撤廃し、奨学金の原則無利子化と返済不要の給付型奨学金を中所得世帯に拡大します。卒業生の奨学金債務も減免します。
奨学金の枠組みを見直す中で、奨学金の在り方についても検討します。
れいわ新選組
現在の制度を変えるべき
理由:
現在の成績評価要件が「相対評価」になっていることは大きな問題です。修学支援法の問題点を指摘する方々からも成績評価をするにしても「絶対評価」にすべきと意見がありました。低所得層の家庭の学生と、家計に余裕のある学生を同じ条件で競争させるかのような本制度には大きな問題があります。仮に支援が止まった場合には、文科省は「貸与奨学金などを活用してほしい」とコメントしており低所得者の家庭の学生をさらに苦しめることになってしまいます。
社会民主党
現在の制度を変えるべき
理由:
現在の学業という一時的な指標による評価で、給付型奨学金の支給、不支給を判断すべきではありません。近視眼的な評価での奨学金運用は、学生および学生の将来の可能性や潜在能力・ポテンシャルを潰かねしないからです。「誰ひとりとりこぼさない教育」こそが、究極のSDGsです。

財源について

(9)以上の政策を実現するために財源をどこに求めますか。

政党名
回答
自由民主党
 
教育は未来に向けた投資です。学びの機会を広げ、誰もが「稼ぐ力」を身につけ、社会・経済の活動を拡大していくことが、結果的に税収増にもつながるという点も適切に評価しつつ、財源を検討してまいります。
立憲民主党
 
現在日銀が保有しているETF(簿価37.2兆円、時価70.1兆円)を、簿価で政府に移管した上で、その分配金収入(1.4兆円)と売却益を、子育て支援策等の財源として活用します。その他、不合理な歳出を徹底的に見直して削減するとともに、再分配機能の強化に重点を置いた抜本的な税制改革に取り組むことなどにより、財源を確保していきます。
(※)ETFの簿価・時価、分配金収入の額は、日本銀行「第140回事業年度(令和6年度)決算」に基づく
日本維新の会
 
所得税法を改正し、学資金だけでなく保育にかかる費用について原則非課税とし、地方自治体からの子育て費用の助成を促進し、直接給付を重視する方針へと転換を図る。また、家庭の経済状況にかかわらず、等しく質の高い教育を受けることができるよう、義務教育の他、幼児教育、高校、大学など、教育の全過程について完全無償化を憲法上の原則として定め、給食の無償化と大学改革を併せて進めながら国に関連法の立法と恒久的な予算措置を義務付ける。これらの財源は、大阪府で行ったのと同様、増税ではなく、行財政改革で捻出する。
公明党
 
公明党は2022年に「子育て応援トータルプラン」を策定し、教育と子育て支援に関する財源については、「子どもへの投資は未来への投資であると共に、社会保障の担い手を増やすことにつながるとの認識に立ち、国民の理解と納得を前提に、社会全体で広く負担を分かち合う仕組みの検討など安定的な財源確保に取り組む」としています。
日本共産党
 
日本の教育予算の水準(国・地方の教育予算の対GDP比)はOECD(経済協力開発機構)諸国平均の7割しかなく、世界最低水準です。一方で、軍事費(防衛費)は、教育予算の2倍にも膨れ上がっています。以上の政策を実現するために、教育予算を抜本的に拡充します。
具体的な財源は、学費半減・入学金ゼロ、給付奨学金の拡充(毎年約2兆円)には、大企業や富裕層優遇の税制をただす改革や、大軍拡を中止して軍事費を大幅に削減するなどの歳出の抜本的見直しによって確保できる26.5兆円の一部を活用し、実現します。教育国債など赤字国債に頼る必要はありません。
〝学費値上げラッシュ〟をとめるために必要な緊急予算は1000億円程度で、今ある予算から出せる規模だと考えています。
また、奨学金返済の半額免除に必要な経費は5兆円ですが、これは一回限りの経費です。国が借金を「肩代わり」する国債を発行して計画的に返済することができます。自民党政権は、5年間で43兆円にも軍事費を増やす計画をすすめていますが、軍事費でなく奨学金返済の軽減に使います。
国民民主党
 
公的資金や教育国債を活用して奨学金徳政令をめざします。
教育や人づくりに対する支出は、将来の成長や税収増につながる投資的経費です。財政法を改正して、これらの支出を公債発行対象経費とする「教育国債」を創設します。毎年5兆円発行し、教育・科学技術予算を年間10兆円規模に倍増させます。
れいわ新選組
 
私たちは積極財政を唱えており、その財源については2種類あると考えています。一つは国の通貨発行である国債発行です。同時に、応能負担税制の仕組みに基づいて、富裕層・大企業から応分の負担(累進課税)を求める考えです。これら二つは両立しない考え方ではないと考えています。財源は税だけであるという考え方も、国債以外には頼らないという考え方もどちらも誤りです。
社会民主党
 
今年で8兆7000億円、来年は10兆円を超え、5年で43兆円という膨大な予算その財源の根拠も示さないままに膨張しづける軍事費(防衛費)をすべて削減し、公教育支出を増額・拡充して、中長期的な教育推進施策の拡充に充てるべきです。
ミサイルより、ペンを。ミサイルより若者(未来)を。ミサイルより平和を!
を訴えていきます。