2026.02.03
「貧困の連鎖を断ち切るために」
認定NPO法人キッズドア理事長 渡辺由美子さん
「すべての人が学べる社会へ 高等教育費負担軽減プロジェクト」は、1月20日に「高等教育費負担軽減Webセミナー」を開催しました。第4回となる今回は、認定NPO法人キッズドア理事長・渡辺 由美子さんを講師にお迎えし、「貧困の連鎖を断ち切るために」をテーマにお話しいただきました。
まず初めに、日本における子どもの貧困と教育格差の現状についてお話がありました。渡辺さんは、少子高齢化の中で低所得の高齢者世帯が増えたことで、全体の所得中央値が下がり、「子どもの貧困」の実態が見えにくくなっているのではないかと指摘しました。また、世帯年収と子どもの学力の関係に関するデータ等を示しながら、家庭の経済力が子どもの学力や進路選択に影響を及ぼす「教育格差」の問題を明らかにしました。
続いて、日本における進学格差と教育費負担の重さについてお話がありました。例えば、ひとり親世帯や生活保護世帯の大学等進学率は依然として低い水準であり、「進学格差」の問題があると指摘しました。また、日本ではOECD諸国と比べて高等教育への公財政支出が低く、家庭における教育費の負担が重くなっていると述べました。さらに、困窮家庭の子どもたちは、受験料や入学金など進学前から大きな不安を抱えており、教育格差是正のためには、早い段階からの支援が必要だと語りました。
最後に渡辺さんは、困窮家庭で育ち、大学等に進学した子どもたちの大多数が、進学したことや大学生活について肯定的に受け止めていることに触れ、「こうした声を受け止め、彼らが金銭的なことを気にせずに進学ができ、継続して学び続けられる環境をどのように保証していけるか」と訴え、講演を終えました。